時計 2020/08/28 11:20

夏休み明け目前 「もう無理」「死にたい」…子どもに異変、ストレス相談急増 コロナ下、支援機関「注意を」 鹿児島

ライン相談を受ける大倉一真代表理事=鹿屋市のパーソナルサービス支援機構
ライン相談を受ける大倉一真代表理事=鹿屋市のパーソナルサービス支援機構
 自殺や不登校が増える夏休み明けを前に、鹿児島県内の相談機関が子どもの異変に警戒を強めている。新型コロナウイルスの感染拡大後、一部の窓口では疲労感や不安を訴える子どもの相談が急増。休校や行事の中止に伴う生活リズムの乱れなどが要因とみられる。関係者は「夏休みの短縮で、心身の疲れが十分回復しない傾向もある」と注意を呼び掛ける。

 「もう無理」「死にたい」。鹿屋市の「パーソナルサービス支援機構」が運営する相談窓口にはお盆以降、子どもたちの訴えが相次いでいる。大半が新型コロナ下での先が見えない不安による悩みだ。

 無料通信アプリLINE(ライン)を使った相談受け付けは昨年10月に開始。3月まで月別の相談数はほぼ1桁だったが、4月以降2桁が続き、8月は24日時点で33件に上る。大倉一真代表理事(45)は「コロナの影響で気持ちをコントロールできない子どもが増えている」と分析する。

 県内のある相談窓口には、学校に行きたくないという中学生の母親から電話があった。生徒は「登校に向けた心の準備ができず、不安で身動きが取れない」と話している。これまで学校を欠席したことはなく、夏休み中も部活動に励んでいた。担当者は「ストレスの蓄積は変化が見えにくく、周囲の大人は子どもとの対話を心掛けて」と話す。

 南さつま市の「南さつま子どもの家」では、5月中旬から不登校に関する相談が増え、カウンセリング予約は2カ月先まで埋まっている状態だ。上薗昭二郎理事長(68)は「コロナ下で、不登校が増えることも予想される。親は温かく見守る姿勢を大切にしてほしい」と強調する。

 国のデータによると、過去40年間を集計した18歳以下の日別の自殺者数は、夏休み明けの9月1日が最多。子どもの心理状態に詳しい北海道教育大学の平野直己教授(54)=臨床心理学=は、コロナによる休校以降、感染防止策が優先され、精神面への配慮が後回しになりがちだったと指摘。「子どもたちは必死に新しい学校のリズムに慣れようとしている。学校現場は、レクリエーションなど気分転換できる時間を作ってもらいたい」と求めた。