時計 2020/11/16 23:00

防水型接続端子に新製法 東郷と鹿児島県工技センターが特許取得

開発した防水型接続端子の製造技術を装置の模型で説明する鹿児島県工業技術センターと東郷の関係者=鹿児島県庁
開発した防水型接続端子の製造技術を装置の模型で説明する鹿児島県工業技術センターと東郷の関係者=鹿児島県庁
 鹿児島県工業技術センターと精密金型製造の東郷(鹿児島市)は16日、鍛造加工を用いた防水型USB接続端子の製造技術を開発し、共同で特許を取得したと発表した。金属材を上下左右から加圧し成形する製法で、高温で焼き固める従来法に比べ、低コストで高品質の製造を可能にした。電子機器をはじめ、軽量、小型化が進むさまざまな製品への活用が期待される。

 防水型接続端子はスマートフォン普及に伴い、需要が急拡大。金属粉末を金型に流し込み、1000度以上で焼き固めて造るが、エネルギーを大量消費する上、冷却時に収縮するため不良率が約25%と高く、検品まで含めてコストと時間が掛かるのが課題だった。

 新技術は、金属に高い圧力を加えて成形する鍛造加工に着目。上からの加圧と同時に、左右両側面からも圧がかかり成形できる仕組みにした。複雑な形状の金型は大きな力が加わると壊れやすいが、力を逃がす工夫で長寿命化を実現。室温で数秒で成形でき、寸法のずれが少なく不良率は0.1%以下という。左右の金型の形状を変えれば、多様な部品に応用できる。

 県外取引先から従来製法の課題解決を相談された東郷が、県工業技術センターとともに2017年度の経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業で研究してきた。今年2月に共同で特許出願、7月13日付で登録された。

 東郷では現在、トヨタ自動車との間で、特許技術を生かした試作品開発が進んでいる。東成生社長は「精密で薄い鍛造は、さまざまな分野の部品に活用でき、商機が広がる」と期待。同センターの牟禮雄二生産技術部長は「東郷の高い技術力があって開発できた。県内企業への技術移転を目指したい」と話した。