時計 2020/11/21 13:00

南日本美術展に即興の海老原喜之助“未発表作” 鹿児島市・黎明館

海老原喜之助特設コーナーの準備が進む第75回南日本美術展=鹿児島市の黎明館
海老原喜之助特設コーナーの準備が進む第75回南日本美術展=鹿児島市の黎明館
 鹿児島市の黎明館で21日開幕する南日本美術展に、創設者で同市出身の画家、海老原喜之助(1904~70年)の“未発表作”がお目見えする。宴席で描いたと伝わる1.9メートル四方の「馬を描く女」。没後50年に合わせた記念コーナーに、他の絵画5点とともに並ぶ。

 「馬を描く女」は、ベニヤパネルに赤、黒、緑の油性フェルトペンで描かれた。筆を手にした女性がキャンバスに向かい、海老原が生涯モチーフとした馬の絵に取り組む姿。足元に猫、頭上には天使が添えられている。サインの下に「65」とあり、1965(昭和40)年の作とみられる。

 絵は長年、南日本新聞社が保管していたが、詳しい記録は残っていない。関係者の間では、65年に開かれた第20回展の時に描かれたと伝わる。審査後の打ち上げで訪れた天文館のキャバレーで、興が乗った海老原が即興でペンを取ったのだという。

 コーナーでは本社と黎明館が所蔵する色紙絵とリトグラフ、油彩を展示する。同館は「本を焼く人」(54年)と聖書の一節を題材にした「ボン・サマルタン」(52年)の油彩2点を出品。本社からの「群馬」など4点は、いずれも初めての一般公開となる。