時計 2020/11/23 10:00

コロナ下「ないと手が震える」…気づかぬうちに若者スマホ依存 広がる長時間使用、学校も対策

スマートフォンに夢中になる子どもたち=鹿児島市
スマートフォンに夢中になる子どもたち=鹿児島市
 1日10時間以上スマートフォン(スマホ)に没頭し、生活リズムが崩れて不登校に-。新型コロナウイルス下で在宅時間が増える中、鹿児島県内で子どもたちのスマホの長時間利用が深刻化している。「スマホがなければ手が震える」と明かす生徒もおり、依存症への懸念も高まる。一部の学校では、利用時間を認識できるように日誌を取り入れるなど対策に乗り出している。

 「外出する機会が減り、スマホを開く回数は大幅に増えた」。鹿児島市の高校2年女子は、休日にゲームや動画の視聴でスマホを12時間以上使用している。勉強しようと電源を切ると体が落ち着かず、不安になるという。

 新型コロナの感染拡大に伴う4月の休校をきっかけに、長時間利用に拍車がかかった生徒も多い。日置市の高校2年男子は「スマホに飽きたら寝る。その繰り返しだった」と振り返る。

 休校明けに依存症に陥るケースもみられた。県内の小学5年男子は休校中、深夜もオンラインゲームをやり続け、学校再開後に早起きできない状態が続いた。医療機関を受診し、徐々に症状は改善した。校長は「依存状態になれば、抜け出すのに時間がかかる。家庭と学校が連携し、未然に防ぐことができれば」と話す。

 教育現場も危機感を募らせる。鹿児島市の樟南高校は9月、1年生約100人に休校期間中のスマホの利用時間を尋ねるアンケートを実施。「利用が増えた」と答えた生徒は93%に上った。

 最も多い利用時間は「5時間」で16%、10時間以上も13人いた。動画や会員制交流サイト(SNS)での利用が大半だった。アンケートを実施した光司智徳教諭(46)は「大人よりも生徒はスマホを使いこなす。教師や大人の目も届きにくい」と指導の難しさを語る。

 さつま町教育委員会は、一日のゲームや学習時間を記録する「睡眠&メディア日誌」を全小中学校に配布。このうち流水小は、児童がスマホの利用時間を決める機会を設けた。睡眠や勉強時間の確保を優先した上で、スマホに充てられる時間を計算した。白川満校長は「子どもが主体的に目標を定め、学校や保護者が支える仕組みを大事にしている」と強調する。

 兵庫県立大学の竹内和雄准教授(55)=生徒指導論=は、コロナ下で子ども同士の関係が希薄になり、人とつながるオンラインゲームやSNSに依存する傾向が強まっていると分析。「学校は、感染対策に留意しながら子どもの交流が深まる行事にも取り組んでほしい」と訴えた。