時計 2021/01/03 09:00

昆虫食の魅力は素材の味 研究家「持続可能な食材、楽しんで」

おせち料理の紅白なますアリの子のせ、こぶまきミルワームのせ、田作りゴマメとイナゴ(内山昭一さん提供)
おせち料理の紅白なますアリの子のせ、こぶまきミルワームのせ、田作りゴマメとイナゴ(内山昭一さん提供)
 昆虫料理を追究し、講演やイベントで普及に努め、昆虫おせちに作りにも挑んだことのある昆虫料理研究家の内山昭一さん=東京都=に魅力を聞いた。

 2009~11年にホームページの新年あいさつなどのために、昆虫おせちを作ってみました。輸入したタガメを飾ったかまぼこや、アリの子を載せた紅白なますなど。「昆虫食にとってどんな年になるか」と思いをはせました。

 昆虫は太古から人類の貴重な栄養源で、今でも世界で20億人が2000種類以上を食べています。江戸時代の絵画にはスズメバチを食べる姿があり、国内では今でもイナゴ、蜂の子などのつくだ煮が郷土料理として残っています。

 昆虫食には主に五つの意義があります。(1)高タンパク、良質な脂肪、ミネラルが豊富(2)飼育効率の良さ(3)食べられる部分が多い(4)狭い土地と少しの水で養殖できる(5)メタンガスや二酸化炭素など温室効果ガスをほぼ出さない-。世界の人口増、食糧不足など、地球規模の問題を解決する可能性がある持続可能な食材と言えるでしょう。

 13年に国連食糧農業機関(FAO)が推奨し、大きな転換点となりました。口コミや報道が盛り上がり、ここ2~3年、若者を中心にイメージが急変しているようです。後10年ほどで、店舗の肉や魚の隣に「虫コーナー」ができるかもしれません。食品としての基準作りが必要になってくるでしょう。

 昆虫は捕れたてがおいしいです。特に好きなのはカミキリムシの幼虫で、マグロのトロのような味がします。焼くと外はカリカリ、中は甘くてクリーミー。旬があり、和食に合います。シンプルな味付けで、素材の味をぜひ楽しんでほしいです。

   ◇ ◇ ◇

 うちやま・しょういち 1950年、長野市生まれ。NPO法人昆虫食普及ネットワーク理事長。多方面から食材としての昆虫の可能性を追究する。著書に『昆虫食入門』など。東京都日野市在住。