時計 2021/01/18 14:00

西之表市長選24日告示 「馬毛島」争点、現職・新人一騎打ち

八板俊輔氏(右)と福井清信氏
八板俊輔氏(右)と福井清信氏
 任期満了に伴う西之表市長選と市議会議員選(定数14)は24日告示、31日投開票される。市長選にはいずれも無所属で、2期目を目指す現職の八板俊輔氏(67)と新人で市商工会長の福井清信氏(71)=自民推薦=が立候補の意向を表明している。政府が馬毛島で進める米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を前提とした自衛隊基地整備計画に、八板氏は反対、福井氏は容認の立場を取っており、市民がどちらを信任するかが最大の争点となる。選挙結果が国の安全保障政策に影響を与える可能性もある。

 2011年6月、馬毛島がFCLP候補地として日米安全保障協議委員会(2プラス2)共同文書に記されたのを機に始まった基地整備の流れは、19年12月からの1年余りで急展開。政府が地権者と約160億円で土地買収に合意し、防衛省は滑走路2本を含む具体的な施設配置案を市に示すに至っている。

 八板氏は配置案への疑問をただす質問書を防衛省に送付。納得いく回答を得られず、「住民が賛否を判断できる正確な情報をそろえようと対話を重ねてきたが、不明点は払拭されないままだ」と国の姿勢を批判した。

 米軍の行動に歯止めをかけられない日米地位協定の問題や、馬毛島沖の好漁場が失われる可能性を挙げ、昨年10月に「失うものの方が大きく、同意できない」と計画反対を正式表明した。多くの移住者を受け入れた歴史、豊かな自然を生かした安心・安全に暮らせる地域づくりを訴える。

 福井氏は政府が島の大部分を国有地化した事実を重視。「賛否判断する時期は過ぎた。市に施設建設を止める権限も法的根拠もない以上、交渉のテーブルに着きメリット、デメリットを現実的に見極める段階」と“許容”の立場を強調する。

 「防衛政策に貢献することで、米軍再編交付金をはじめ協力姿勢に見合う対応を国に求めていく」と述べ、昨年12月には与党国会議員に伴われ防衛省を訪問し、交付金の大幅確保を要望した。交付金を地域産業振興や子育て世代の支援に活用したい考えを示す。

 市長選には当初3人が名乗りを上げる予定だった。告示2週間前の10日、基地容認派の新人1人が取りやめ、容認派が一本化された格好だ。防衛省が昨年10~12月に12校区で開いた住民説明会は、出席者から「説明不足」との指摘が相次いだ。基地整備に絡む関連事業の入札公示など計画の“既成事実化”が進む中、こうした不満の声が投票行動にどう反映されるのか。国や県も注目している。

 定数2減となる市議選は現職15人(欠員1)中3人が勇退を表明。立候補予定者説明会に出席した現職11、新人5、元職1の計17人は全員立候補する見込みだ。新人、元職に基地計画の容認派が多い上、地縁血縁を重視する投票傾向もみられる。このため現在反対派が多数を占める議会構成が逆転する可能性もある。