時計 2021/02/08 10:30

中高年女性のアンダーヘア事情 じわり脱毛ブーム 理由は老後のエチケット

医療用レーザー脱毛器
医療用レーザー脱毛器
 将来を見据え、アンダーヘアの脱毛をする中高年女性が増えているらしい。気恥ずかしくて、人とはなかなか話しにくいが、実態はどうなのか。経験者や医師に聞いた。

 日置市の40代会社員女性は言う。「最近同年代の友達と会うと、アンチエイジングとアンダーヘア脱毛の話は必ず出てくる」。理由は何か。

 ■世話する人に気遣い
 「将来、自分の子どもや施設にお世話になるとしたら、排せつなどの際、できるだけ介護する人の負担を減らしたい」。女性はこう話す。実際に病院で数回施術してもらい毛量が減った。「生理のときに、経血がついたりするのが不快だったけど楽になった」と別の利点も挙げる。

 鹿児島市在住の女性(44)も「介護」を視野に入れた脱毛を計画中。「美しいとかどうとかより、人に迷惑を掛けない、不快な思いをせず、心地よくいたいという自己満足」と言い切る。

 介護の現場で働く人はどう感じているのだろう。鹿児島市の男性介護士(42)は「高齢の方は薄くなっているので、そこまで気になったことはない」。一方で同市の30代女性介護士は「排せつ物が付いて時間がたつと絡んで落ちにくいことはある。毛がある人とない人では、おむつ交換にかかる時間に差が出てくると思う」と指摘する。

 ■VIOライン清潔さを保つ
 春山クリニック(鹿児島市西田2丁目)では「介護」を見据えて、VIO脱毛を希望する中高年女性が増えているという。VIOは、ビキニライン、膣(ちつ)回りのIライン、尻回りのOラインを指す。

 毛はないほうがいいのか。春山勝紀院長(41)は「排せつ物の処理がしやすく清潔さが保てる。デメリットはない」と話す。毛があってもきれいに拭いてもらえればいいが、「そうでないと、菌の温床になり、免疫力が落ちたときに炎症を起こしたりすることがある」と解説する。希望者が増えているのは「介護に向けたエチケットと考える人が多くなったからではないか」と推測する。

 どういう手順で脱毛するのか。

 同院では、厚生労働省から承認された医療レーザーを照射し毛根から破壊する。事前の問診で光線過敏症などがないか確認。その後、VIOラインを剃毛し、皮膚を冷やしてレーザー照射をする。レーザーは黒色に反応し白色には効かない。そのため、「VIOに白色の毛が増える前に施術を受けたい」という中高年が増加しているとも。

 同院には「どんな姿勢で施術されるのか」との問い合わせも多い。あおむけやうつぶせになり、足角度を変えながら姿勢をとっていく。最初は恥ずかしいかもしれないが、個室での施術で、慣れも出てくるという。

 注意点もある。まれに、毛穴の炎症や前よりも毛が濃くなる「硬毛化」が起きる場合がある。施術中にやけどや凍傷になるケースも。「トラブルが起きたときに、すぐ医師が対応できる病院選びが大事」と春山院長はアドバイスする。

 医療脱毛は保険適用されないため高額になりがち。全国チェーンのクリニックの県内参入で価格競争も発生しており、価格は事業者によって異なる。納得できる説明をしてもらうことも必要だ。

●契約トラブルに注意
 鹿児島市消費生活センターによると、美容医療やエステティックに関するトラブルの相談は、2018年が54件、19年34件、20年4~12月が20件だった。

 意に沿わない契約をした場合、一定期間内に手続きすれば無条件に契約を解除できる制度「クーリングオフ」がある。美容医療やエステティックなどは8日間だ。

 方法は、(1)契約書を受け取った日を含めて期間内にハガキなどの書面で行う(2)必要事項を記入し、郵便局の窓口で「簡易書留」や「特定記録郵便」などで送る(3)送る前にハガキの両面をコピーし、領収書と関係書類などと保管する(4)クレジット契約をした場合、必ずクレジット会社と販売会社へ同時に通知する。

 期間が過ぎても、中途解約できる。同センターは「一人で悩まず、まずは電話相談を」と呼び掛けている。