時計 2021/02/11 11:00

「獣医になりたい」夢絶たれ 早朝、馬の世話に行く途中か 大学生死亡ひき逃げ 

ひき逃げ事件の現場近くに供えられた花束=10日午後、鹿児島市大竜町
ひき逃げ事件の現場近くに供えられた花束=10日午後、鹿児島市大竜町
 9日早朝、鹿児島市大竜町の国道10号で車にはねられ死亡した近くの男性(20)は、鹿児島大学共同獣医学部の1年生で馬術部に所属していた。新入部員を紹介する部のブログに「動物が好きで獣医師になるために入学した」と将来の夢をつづり、学生生活を満喫している様子がうかがえた。

 大学生は福岡県出身。「馬に乗る楽しさや世話をする喜びを得て、充実した日々を過ごしている」と入学してからの毎日を振り返る。「大会などにも出場できるように努力を重ねたい」と抱負を記していた。4月からは部の副主将を務める予定だった。

 10日早朝、鹿児島市の鹿大郡元キャンパスにある馬術部の厩舎(きゅうしゃ)には、掃除や馬の餌やりに励む部員の姿があった。その中の一人は「彼に落ち度はない。知っている人が亡くなるのは悲しい」と重い口を開いた。朝早くからの馬の世話などは部の日課といい、大学生は9日も普段通り厩舎に向かっていたとみられる。

 大学生の死を悼み、現場の交差点には多くの花束や飲み物、菓子などが供えられた。学校帰りに手を合わせた鹿児島市内の大学3年の男性(22)は「大学生を知らないが、年が近く人ごととは思えない。花を手向けることで少しでも救われれば」と涙ぐんだ。