時計 2021/04/16 06:00

緊急事態宣言から1年 鹿児島市天文館の人出、コロナ前の9~45%減 14日までの1週間をアグープで解析

人通りが少ない繁華街=15日夜、鹿児島市の天文館(清水裕貴撮影)
人通りが少ない繁華街=15日夜、鹿児島市の天文館(清水裕貴撮影)
 地元客や観光客でにぎわっていた鹿児島市の繁華街「天文館」。新型コロナウイルス拡大に伴う昨年4月の緊急事態宣言などを受けて、人出は大きく落ち込んだ。1年たってもコロナ前の水準には戻っていない。

 「客足が戻ってきたと期待しては、感染拡大で再び落ち込む。この1年、コロナに振り回された」と語るのは居酒屋経営の中原寛さん(65)だ。ゴールデンウイーク(GW)やお盆の帰省、忘新年会、歓送迎会など年間を通じてほぼ全てのイベント需要が吹き飛んだと嘆く。

 ソフトバンク子会社「Agoop」(アグープ、東京)のスマートフォンの位置情報を基にした解析データによると、「天文館通電停」周辺の金曜午後9時台の人出(滞在人口)は、昨年3月26日の県内初の感染者確認や4月16日の緊急事態宣言全国拡大を受けて急減した。2019年のGW前の4月26日は5万8000人台だったのに対し、昨年のGW5連休前の5月1日は3分の1近い2万人台まで落ちた。

 宣言解除後にいったん持ち直したが、7月初めに県内初のクラスターが発生して再び下降。政府の観光支援策「Go To トラベル」開始で緩やかに回復してきたものの、首都圏の感染再拡大で、またもブレーキがかかった。

 現在も人出が低調な状態は続く。コロナ感染拡大前(昨年1~2月)の平均に比べ、今月14日までの1週間も9.8~45.1%減だった。

 業務用酒類卸オーリック(同市)の天文館店は昨年7月、居酒屋向けの売上高が前年の3割に満たなかった。取引先の時短営業などに伴い、一時は同店を含む周辺3店を1店に集約して営業。今も売上高はコロナ前に届かない。松下智常務取締役(62)は「長期戦になる。飲食店の体力がいつまでもつか」と懸念する。

 天文館文化通り会長も務める中原さんは「何とかしのごうと、各店では感染予防策やテークアウト・出前などやれるだけの手は打ってきた」と話す。知る限りでも、同通りだけで20店以上が閉店したという。「あとは秋までのワクチン接種の進展に望みをつなぐしかない」