時計 2021/04/21 06:00

野ざらしのブルートレイン、活躍の場再び 香川でお遍路さんの宿に 移設資金はクラウドファンディングで調達

阿久根駅を出るブルートレイン=阿久根市栄町
阿久根駅を出るブルートレイン=阿久根市栄町
 阿久根市の肥薩おれんじ鉄道・阿久根駅隣に放置されていたブルートレイン2両が、トレーラーにけん引されて、移設先の香川県観音寺市に4日がかりで到着した。今秋以降、お遍路さんらの宿として生まれ変わる。見送った市民は「四国で輝きを取り戻して」と新天地での活躍を願った。

 車両は西鹿児島(現在の鹿児島中央)-新大阪間を走った寝台特急「なは」で使われ、引退後の2008年、阿久根市のNPO法人によって阿久根駅隣に移設された。宿泊施設として活用されてきたものの、14年の法人解散後、使われずに野ざらし状態になっていた。

 移設作業は15日にあった。クレーンで30トンの車両をつり上げ、台車と連結。午後9時の出発時には住民らも駆け付けた。阿久根市新町の牛之浜安子さん(70)は「そばにあるのが当たり前だった。子どもの旅立ちを見守る気分」と話した。

 交通量が少ない夜から朝にかけて移送し、宮崎県経由で大分県入り。フェリーで愛媛県に渡り、観音寺市に18日の早朝着いた。四国霊場66番札所「雲辺寺」に登るロープウエー山麓駅の駐車場に設置する。

 香川県善通寺市でうどん店を営む岸井正樹さん(60)が、宿泊施設として車両を再利用するため、クラウドファンディングで移設費計約1700万円を調達した。四国で大切に預かるといい、「多くの人の協力のおかげで憧れの車両がよみがえる。長年の夢がかなった」と感謝する。

 車体を塗り直し、近くにうどん店なども開く予定だ。「ブルートレインの魅力が伝わる宿として町おこしにつなげたい」と話している。