時計 2021/05/17 12:00

ピッチから牛舎へ 元Jリーガー、畜産農家に転身 「恩返しを」スパイク、遠征費出してくれた祖父の跡継ぐ 平秀斗さん

子牛にミルクを与える平秀斗さん=阿久根市脇本
子牛にミルクを与える平秀斗さん=阿久根市脇本
 阿久根市脇本の元Jリーガー・平秀斗さん(26)が家業を継ぎ、繁殖畜産農家として第二の人生を踏み出している。幼い頃から支えてくれた祖父義之さん(85)に「恩返しがしたい」と帰郷、現役時代と同様に前向きに取り組み3年目。「買い手に喜ばれる生産者を目指す」と意気込んでいる。

 同市の三笠中学校時代まで地元クラブチームでプレーし、佐賀東高校に進学。U-17の日本代表にも選出された。卒業後はJ1鳥栖に加入。2018年、J3福島で競技生活に幕を下ろした。

 引退後は、義之さんら家族で営む牛舎で働くと決めていた。「スパイクの費用や遠征代を出してくれた祖父の力になりたかった」と振り返る。

 一家は団体職員の父正博さん(55)も手伝い、繁殖牛約40頭を飼育する。毎朝7時から餌やりが始まり、夜出産に立ち会うこともある。当初生活リズムの違いに戸惑ったが、育てた牛が競り市で評価される仕事にやりがいを感じるという。

 厳しいプロの世界に身を置き、「自ら考えて楽しむ姿勢が良い結果を生む」と学んだ。今では義之さんから仕事を習うだけでなく、牛の出産に関するデータをパソコンで管理するなど新たな取り組みにも挑戦する。

 義之さんは「一緒に仕事ができるのが楽しい」と頼もしそう。平さんは「畜産業は高齢化が進む。若い世代にも仕事の楽しさを伝えられるように頑張りたい」と話した。