時計 2021/05/15 21:00

新型コロナ感染対策、ばらつきないか? 鹿児島県が飲食店にローラー作戦敢行

飲食店の感染対策の状況を店員に聞き取りする県の担当者ら=鹿児島市千日町
飲食店の感染対策の状況を店員に聞き取りする県の担当者ら=鹿児島市千日町
 鹿児島県は、新型コロナウイルス「感染拡大警報」の発令に伴い、現地調査など飲食店の感染防止対策の強化に乗り出した。これまで具体的な取り組みは事業者の自主性任せで、ばらつきが指摘されてきた。実効性の確保や底上げにつながるかが課題となる。

 「アクリル板は納品がまだ。席の間隔を空けているので大丈夫だと思う」。料理店主の説明に、県の担当者は「分かりました」とうなずいた。10日、鹿児島市の繁華街天文館などで始まったローラー作戦。国が示す最低限の対策として、飛まつ対策のアクリル板設置、換気、手指消毒、食事中以外にマスク着用を指示できているかの4項目を聞き取った。

 調査に対し「店が狭く、アクリル板は置けない」「客にマスクを着けるよう促すのはしんどい」「前回の時短では午後9時以降もマスクをせず客引きをする人がいた」と訴える店も。

 県は昨年、業種を問わず、自己申告で感染対策店と表示できる「ステッカー制度」を創設した。塩田康一知事などが取得店を巡回したケースがあったが、飲食店全体の調査は初めて。時短対象の鹿児島市など5市町を優先し、6月にかけて県全域で実施する。

 4月28日~5月4日の県内の感染機会の分析によると、スナックやキャバレーといった接待を伴う飲食店31.2%が最も多く、県外との往来・接触が16.3%と続いた。自宅を含め会食など飲食を伴う機会が、全体の5割を占めていた。

 塩田知事は、感染拡大警報を発令した7日の会見で飲食店について「感染防止対策をしっかりしてもらうことが大事」と言及。第三者が感染対策にお墨付きを与える「山梨モデル」のような認証制度を国が求めているとして、県としても導入を進める意向を示した。

 クラスター発生や感染者増加のたびに、来店客が減少してきた繁華街。事業者の間では、店によって感染対策に温度差や緩みがあることが問題視されてきた。県の調査を受け、物品調達を急ぐ姿も目に付いたという。

 天文館の焼き肉店経営の原口武義さん(45)は「事業者自身感染対策は手探りの部分があり、県から助言を受けられるのはありがたい。全体のレベルアップにつながる」と期待する。レストランなどが加盟する県飲食業生活衛生同業組合の肥田木康正理事長は「感染はどこでも起こりうるが、拡大を防ぐのが事業者の責任。対策が不十分な店を把握し、徹底を促すことが肝心だ」と注文する。