時計 2021/06/07 11:22

焼き芋 夏は「冷やし」で タピオカに次ぐブーム到来 アイスやチーズのトッピング、壺焼きもよし

焼き芋を使ったスイーツなどを楽しめる「焼き芋&スイーツ専門店3515」=鹿児島市中町
焼き芋を使ったスイーツなどを楽しめる「焼き芋&スイーツ専門店3515」=鹿児島市中町
 新型コロナウイルス下、人と接する機会が減った。心にすきま風が吹いているようで、物寂しさを感じる日々が続く。そんな折に街を歩くと、焼き芋専門店がやたらと目についた。近年、首都圏でタピオカに次ぐブームになっているらしい。焼き芋でほっこり、甘いひとときを過ごしてみてはいかが。

✲鮮やかパフェ 食べ方は多彩

 焼き芋丸々1個にアイスやチーズをトッピングし、鮮やかなパフェやハニートーストもある。鹿児島市中町のカフェ「焼き芋&スイーツ専門店3515(さんごじゅうご)」は3月末に開店した。焼き芋を使ったスイーツを売りにする。

 芋は長島町産の紅はるか。甘く濃い味が特長だ。添えるアイスは芋の味を引き立たせるものを厳選した。店内で食べられるのは4種類、持ち帰り用に温かい焼き芋や冷やし焼き芋など7、8種類を用意する。

 鹿児島を訪れた観光客がサツマイモを楽しめる名所を目指す。店長の房野麻乃さん(27)は「懐かしさのある焼き芋には新しい魅力も詰まっている。多様な食べ方を幅広い世代に楽しんでほしい」。

✲壺焼き追及、鹿児島の味に

 鹿児島市荒田2丁目の「薩摩壺焼芋とどろき」は店頭の大きなつぼが目を引き、甘い香りが漂う。つぼの中にしちりんを置き、取り囲むように芋をつり下げる。じっくり焼き上げている最中で蜜が滴っていた。

 温かい壺焼き芋や冷凍焼き芋など12、13種類のメニューをそろえ、全て持ち帰りで提供する。「おいもブリュレ」は甘すぎないカスタードクリームを使い、芋の味が際立つ人気商品。3月1日にオープンした。

 オーナーの松葉口雄司さん(38)はつぼ焼きの技術を岐阜県で習得した。芋を「お芋さん」と呼ぶほど愛情を込め、火力の調整なども丁寧だ。「壺焼きを新しい鹿児島の味として広く知ってほしい」と意気込む。

✲夏に楽しめる食べ方も

 「焼き芋は冷やすとより甘味が増す。夏に楽しんでほしい」。鹿児島市玉里団地3丁目の「焼きいもにぎわい商店」店長の迫屋久さん(62)は冷やし焼き芋を薦める。7年前、県内でいち早く開店。ここ2、3年の売り上げは右肩上がりという。

 さまざまな産地や種類のサツマイモと向き合い、焼き上げる温度や時間などを試行錯誤してきた。経験を重ね、時間がたってもおいしさや食感が長続きする焼き芋を取りそろえる。芋スティックやいもチップも人気。迫屋さんは「芋や店によって焼き芋に特長がある。食べ比べてみるのも面白いのでは」と提案する。

■「栄養価が高く、甘いのに罪悪感ない」

 JA鹿児島県経済連の食の提案チーム「ハッピー・テーブル」の野菜ソムリエ水流真奈美さん(33)は「栄養価が高く、甘いのに罪悪感がない。おやつ感覚で気軽に食べられる」と焼き芋の魅力を語る。

 サツマイモは食物繊維やヤラピンが豊富に含まれ、便秘解消が期待できる。ビタミンCはリンゴの5倍とされ、肌にも良いという。

 自宅で焼き芋を作る時には、ひげ根が少ない芋を選ぶ。きれいに洗った後、アルミホイルで軽く包み、オーブンで30分から1時間ほど焼く。竹串がすっと通るまで火を通すのがコツ。じっくりと低めの熱を加えることがポイントだ。

 つい焼き芋を買いすぎた、作りすぎた-。そんな時、いろいろな料理に“変身”させることができる。例えばコロッケ。つぶしたら好きな具材を混ぜ、俵型に成形。小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけ、きつね色になるまで揚げれば出来上がりだ。

 甘さを生かしたポタージュもお薦め。牛乳と一緒にミキサーにかけ、焦がさないよう鍋で熱し、味を調える。生の芋より焼き芋ならではの甘味を楽しめる。