時計 2021/06/10 21:00

投資は少ないのに「輝け」だの「産め」だの… 不平等を決める議会を変える 男性は意識を変えてなり手を探せ、女性は尻込みせずリーダーに

かごしま女性政策研究会で意見交換する議員ら=4月、鹿児島市のかごしま県民交流センター
かごしま女性政策研究会で意見交換する議員ら=4月、鹿児島市のかごしま県民交流センター
〈政治 平等ですか? 鹿児島〉

 「財政や人事の職場に女性が少ない」「女性らしさ、女性の視点を求められて困る」「子どもを産む道具のような扱い」-。県内各地の女性議員や行政職員ら約20人が4月下旬、鹿児島市のかごしま県民交流センターに集まった。25年以上続く「かごしま女性政策研究会」の月例会。ジェンダー(社会的性差)不平等の現実に職場や暮らしの中で抱く違和感をぶつけ合い、学びを深めた。

 研究会代表で県男女共同参画審議会のたもつゆかり会長は「議会をはじめ政策決定過程への女性参画が進まない限り、さまざまな社会問題は解決できない」と断言する。

 例えば、働き方の選択に大きな影響を及ぼす税制。共働き世帯が増え、仕事と子育ての両立を望む声が高まる中、「夫が働き、妻は専業主婦」という家族モデルを基に1961年に導入された配偶者控除については議論が進まない。

 新型コロナウイルス禍で非正規が多い女性を中心に貧困が広がった。女性が妊娠・出産を自己決定する権利が現実に保障されているか、少子化対策に疑問を抱かざるを得ないという。

 「女性への投資が少ない社会にもかかわらず、『輝け』とか『子どもを産め』とか。男女による受益の不平等を最終決定しているのは議会。女性議員ら多様な当事者視点が必要」と変革を願う。

■異例の低さ

 3月末に発表された世界各国の男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は156カ国中120位。特に政治参画の分野では147位と先進国として異例の低さだった。

 鹿児島県議会と県内43市町村議会の議員全717人中、女性は10.4%の75人(6月1日時点)。全国平均すら下回るが、変化の兆しもある。さつま町議会は4月の改選で女性2人が1、2位当選。初めて複数の女性議員が誕生した。昨春の鹿児島市議選では過去最多の9人が当選し、女性比率が改選前の1割から2割に。2019年、垂水市議会でも1958(昭和33)年の市制施行から初の女性議員が誕生した。

 「女性の声が行政に必要だと感じた」「いろいろな立場の人が議会に必要」と自ら立候補した人もいれば、周囲の後押しで手を挙げた人もいた。

■行政、地域にも

 南大隅町も4年前の選挙で、合併後初めて女性議員が当選した。しかも一挙に3人。議員の25%を占め、一気に県内トップとなった。今春、全員が再選を果たした。

 3人はこの4年、ほぼ毎回一般質問した。足しげく傍聴に通う同町地域女性会連絡協議会の鹿間久美子会長(70)は「生活者として身近な問題を取り上げてくれた」と喜び、期待が大きい。

 行政の各種会合や自治会代表でも女性の登用が進めば、地域の活性化や課題解決が進むと確信する。「なり手を探す行政、男性側が意識を変えなければ。女性も尻込みせず、リーダー役を引き受けて社会を変えていってほしい」と話した。

=おわり=