2021/06/24 12:06

昼休業、隔日営業 金融機関で導入広がる ネット普及し来店客は10年前の半分 効率的店舗運営目指す

ATM
ATM
 鹿児島県内の金融機関は、昼休業導入や営業店統合などで店舗運営の効率化を進めている。インターネットバンキング(IB)やキャッシュレス決済の普及で来店客数が減少。経営環境が厳しさを増す中で、顧客の利便性に配慮しつつ運営コストを抑え、店舗網の維持に腐心する。

 鹿児島銀行の星ケ峯支店(鹿児島市)では午前11時半になると、行員が窓口とATMコーナーを隔てるシャッターを下ろす。1月から始めた昼休業だ。午後0時半までの1時間は窓口業務を休止し、利用できるのはATMのみ。以前は昼前後に一部窓口を閉め、職員は交代で休憩していた。同支店の益田陽子さん(45)は「営業中は常に全員で業務に当たれるため、お客さまの待ち時間は短くなった」と話す。

 同行によると、来店客は10年前の半分以下に減った一方、店舗の削減は2割程度にとどまる。人口減やマイナス金利で収益環境が厳しく、交代要員が不要な昼休業で従来より少人数で窓口を回し、コストを抑えて店舗網を維持する狙いだ。

 利用者の使い勝手を考慮し、昼どきの来店客数が平均以下の店舗を対象とする。現在29店で導入済みで、7月には2割超の40店舗まで拡大する計画。店舗規模に応じて窓口対応要員1~2人ほどの削減が見込め、営業に振り向けられるという。

 鹿児島信用金庫(同市)は、昼休業中に支店長が職員の業務の進ちょく具合を聞き、仕事を調整することもある。中俣義公理事長は「金融機関は経営効率化をしないとやっていけない時代。昼休業の店は、残業時間が減るなどの効果もみられる」。

 「隔日営業」を取り入れたのは鹿児島興業信用組合(同市)だ。月、水、金は鹿屋市の串良支店、火、木は肝付吾平支店を交互に開ける。同じ職員が勤務し、2店の運営を担う。

 複数の営業店を1つの店に集める「店舗内店舗」の導入も各金融機関で進む。店の統合ではあるものの、預金口座の店番や番号の変更、通帳・キャッシュカードの再発行といった手続きは不要で、利用者の負担を軽減。支店長の兼務も可能だ。

 鹿児島相互信用金庫(鹿児島市)は4月、西原支店(鹿屋市)を鹿屋支店(同市)内に移転。西原支店のATMコーナーは残し、平日の取扱時間を延長、土日祝も稼働させて顧客の利便性に配慮している。

 南日本銀行(鹿児島市)は昨年、2支店を移転統合し、今年9、10月にはさらに2店を対象とする予定だ。担当者は「新型コロナウイルス禍で来店者数はさらに減った。効率化による余剰人員を、デジタル化支援など顧客サポートの態勢強化に充てていきたい」と説明する。