2021/07/06 11:12

陸上短距離・白石 逃した五輪 鹿児島から再起期す ライバル多田「次の世界選手権 バトンつなぎたい」刺激に

地元・鹿児島でのレースを終え、すがすがしい表情を浮かべる白石黄良々(セレスポ)=白波スタジアム
地元・鹿児島でのレースを終え、すがすがしい表情を浮かべる白石黄良々(セレスポ)=白波スタジアム
 陸上男子短距離の白石黄良々(25)=セレスポ、出水市出身=が4日、鹿児島市であった県選手権に出場した。2019年の世界選手権400メートルリレー銅メダリストは度重なる故障に苦しみ、目標だった東京五輪出場を逃した。「もう一度、鹿児島から世界を目指す」。再起を懸け、故郷で新たなスタートを切った。

 世界選手権の後、アキレス腱(けん)や太ももなどを相次いで故障。結果が出ない日々が続いた。東京五輪の最終選考会となった6月の日本選手権は、100メートルを回避し200メートルに絞って臨んだ。しかし、万全とは程遠かった。持ち味である中盤の伸びは影を潜め、自己ベストより1秒以上遅い21秒66。予選敗退に終わった。

 「(結果が)駄目なら陸上を辞めるか、今のコーチの下を離れてゼロから始める」という強い覚悟を持って臨んだ日本選手権。東京五輪出場はかなわず、失意を味わった。

 心を動かしたのは、一緒に練習を積んできた多田修平(住友電工)の存在だ。100メートルで悲願の日本一に輝き、五輪代表を射止めたライバルからレース後、「次の世界選手権に一緒に出て、バトンをつなぎたい」との言葉をもらった。「こんなところでは終われない」。刺激を受けた。

 五輪を逃した今、「失うものは何もない。ここから積み上げていくだけ」と前を向く。「故障の影響で筋肉量が4キロ近く落ち、体力やパワーが全く足りていない」と分析。一方で、苦手だったスタートの技術などは「以前とは別物というくらい良くなっている」と手応えも感じている。

 五輪出場へ飛躍を期した昨季、最初のレースに選んだ県選手権。今季は再スタートの場として臨んだ。4日の100メートル決勝。力強い走りで優勝し、トップ選手の意地を示した。

 次の目標を22年の世界選手権に定め、さらに24年のパリ五輪も見据える。「東京五輪で果たせなかった思いを全部ぶつけたい」。地元の声援に応えるため、そしてライバルとの約束を果たすため、復活への一歩を踏み出した。
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