(右)型に材料を入れ、ギュウギュウと押し固める。両側の型を合わせるが、くっつかない場合は、型に入れたまま冷蔵庫で半日寝かせるといいそうだ(左)バスボムと化粧水
夏の疲れがたまっている。強い日差しにやられた日焼けの痕も気になる。秋の夜長に、ゆっくりお風呂に入ってスキンケア…。時節柄あまり出歩けないので、自宅でのんびりしたい。心も体も癒やす手作りコスメに挑戦した。
◆発泡バスボム 香りも楽しむ
お湯の中で発泡するボール状の入浴剤「バスボム」が人気だ。アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸が水の中で中和する作用で炭酸ガス(二酸化炭素)が発生し、体が温まるという。市販されているが、身近な素材でも作れると聞き、「バスボムレシピ」(篠原由子著、河出書房新社)を参考に材料をそろえた。重曹、クエン酸はドラッグストアや100円ショップで購入。素材をつなぐコーンスターチはスーパーの粉もの売り場にあった。食用着色料で色を付けてもよし、好みの精油(アロマオイル)を入れてもいい。乾燥ハーブも加えることにする。
材料を固めるために、球状の氷を作るプラスチックの製氷皿を活用した。半球ずつ、材料をギュウギュウ指で押し固めながら入れる。パサパサしていたので、本に書いてある通り、霧吹きで水分を追加する。入れすぎると発泡が進むので、加減が難しい。
半分ずつ入れた両側の型を合わせて押す。開けてみると、ボロボロながらボール状になっていた。だが、半球で割れたままのものもあり、最後はシリコンカップに入れ直す。青ユズの皮を使う「ゆずバスボム」はカボスを代用。皮2個分をすり下ろし、1日干して加えた。湯船に入れると、かんきつの爽やかな香りとシュワシュワの泡が広がった。7個成形するまでに約4時間。苦労した分、癒やされた…気がする。
◆優しくなじむハーブ化粧水 「ボタニカルファクトリー」で学ぶ
肌に優しいスキンケア用品もほしい。鹿児島県産の果物やハーブを使った化粧品を製造・販売する「ボタニカルファクトリー」(南大隅町)で化粧水と中高年向けフェースオイルを教えてもらった。
化粧水は月桃蒸留水130グラムをベースに、月桃エキス2~5ミリリットル、グリセリン5~7グラム、ヒアルロン酸10グラムなどを追加して完成。フェースオイルはホホバオイル大さじ1、マカダミアナッツ油小さじ2、桜島産のつばき油小さじ1に精油(ラベンダー、ジャスミンなど)3滴を加えた。洗顔後、オイルを2~3滴顔全体に付けた後、化粧水をパッティングし、なじませる。「初めて使う素材は事前にパッチテストをして」と黒木靖之代表(52)。使用期限は冷蔵庫で約60日。小学校跡地の同社工場ではコスメ作り体験ができる(少人数制、実施は10月以降)。ボタニカルファクトリー=0994(24)3008。
◆バスボムの基本レシピ=「バスボムレシピ」(篠原由子著、河出書房新社)参考
<材料>直径5.8センチの球状1個分
A(重曹70グラム、クエン酸30グラム、塩20グラム、コーンスターチ10グラム)、精製水0.7ミリリットル、植物性オイル小さじ2分の1
<作り方>
(1)材料Aをボウルに入れ、ゴム手袋を付けて両手でこするように混ぜる。
(2)植物性オイルを入れ、スポイトで水を加える。
(3)すぐに両手で全体を混ぜる。
(4)型に手やスプーンで押し入れる。両側の型のふちまで詰め、片側は5ミリほど高くなるように載せる。
(5)型を垂直にしっかり押し合わせる。
(6)外側を軽くたたき、型を外して1時間乾燥し、冷蔵庫に6時間置く。
※道具類は最初にアルコール消毒。
※精油は球状1個に2~4滴。抹茶(4グラム)、岩塩(適量)もOK。
※ジッパー付きの袋で保存する。
※植物性オイルはオリーブオイル、ホホバオイルなど。