9点目のホームを踏み、ガッツポーズする大島の西田心太朗選手=11日、鹿児島市の平和リース球場
2回までに5点のビハインド。しかし大島に焦りはなかった。じわじわと追い上げ、6回に5安打を集めて5得点。得意の集中打で試合をひっくり返した。今大会、無失点だった有田工の右腕・塚本を攻略し、12安打11得点の猛攻。塗木哲哉監督は「控えも含めて、打ってつなぐことができた」と喜んだ。
3点を追う6回、つなぐ打線が本領を発揮する。四球を足がかりに犠飛や適時打で1点差に詰め寄り、打席には4番・西田。「ベルトの高さの直球に振り遅れないよう、前でとらえることを意識した」と中前にはじき返して同点。続く中は、高めに浮いた変化球を逃さず左前に運び、勝ち越しの走者2人を迎え入れた。中は「集中、集中と自分でユニホームの胸をつかみ、落ち着かせた。逆転できてすごくうれしい」。
控え組も気を吐いた。今大会初出場の体岡が4回、追い上げムードに火をつける2点適時打。6回は代打山下が二塁打を放って好機を広げた。ベンチが一丸となって、来春の選抜大会出場をほぼ手中にした。
離島の公立校が、九州大会決勝まで勝ち上がった。最後の相手は2戦続けてコールド勝ちと強打を誇る九州国際大付(福岡)だ。塗木監督は「決勝でもエンジョイベースボールでいきたい」。成長を続ける選手たちが九州の頂点を狙う。