記者会見する森山裕衆院議員=16日、東京都港区
自民党の石原派(近未来政治研究会、7人)は16日、森山裕総務会長代行(衆院鹿児島4区)が派閥会長に就き、「森山派」を発足させた。東京都内であった政治資金パーティーで表明し、憲法改正や地方創生、財政規律の重視を提唱した。県選出の国会議員が派閥領袖(りょうしゅう)となるのは2003年11月の故・小里貞利元衆院議員の小里派以来。
森山氏はあいさつで「党是である憲法改正を引き続き頑張りたい。今後の日本の発展にはデジタル社会を進めるとともに、地方をどう再生していくかが重要だ」と強調した。会合後、記者団に菅義偉前首相を支持するグループや二階派との連携を問われ「政策によっては連携することもあるが、特定の相手は考えていない」と述べるにとどめた。
先の衆院選で党内最小派閥の石原派は、前会長の石原伸晃氏、鹿児島2区の金子万寿夫氏ら3人が落選。顧問就任を打診されている石原氏は欠席した。県関係では宮路拓馬衆院議員(鹿児島1区)が所属する。
派閥創設者で最高顧問の山崎拓・元党副総裁は、衆院選で立憲民主党候補を応援し党員資格停止1年の処分を受けたため、当面は不参加となる。
■森山氏の一問一答
-どのような政策集団を目指すか。
「歴史的にも憲法改正に取り組んできた派閥。新たな概念や考え方が増える中、見直すことが必要だ。9条の議論が目立つが、党の改憲4項目それぞれ重要。どういう課題があるか丁寧に議論を深めたい」
「国の成長に地方創生が欠かせない。地理的に不利な条件をカバーするデジタル化の進展が根幹となる。担い手の育成も大切だ。地方が自立的に課題に取り組むため、財政的な裏付けも必要で税制措置なども考えたい」
-財政規律の重視も訴えている。
「緊急時の積極出動全てを否定しないものの、一定の規律は重要。楽観論もある国債発行は将来の選択肢を狭めかねず、若い世代にツケを回すべきではない」
-馬毛島の基地問題など国防についてはどうか。
「南西諸島で緊迫が続いている。防衛力の強化は本来、分断するような話ではない。現状を丁寧に説明することに尽きる。おのずと理解は広がるはずだ」
-党内では最小派閥。政策実現にどう取り組む。
「あくまで政策集団だ。総理総裁を目指すわけではなく、政策に近い人たちと連携していく。背伸びせず着実に基礎を固めたい」