戦火のウクライナを避難する母たち 「早く会いたい」無事祈る娘はスマホで毎日位置確認…やがて隣国ポーランドに

2022/03/09 08:26
ウクライナの家族を心配する郡山虹夏さん=鹿児島市
ウクライナの家族を心配する郡山虹夏さん=鹿児島市
 ロシア軍の侵攻で多くのウクライナ人が国外に避難する中、同国出身で鹿児島市在住の郡山虹夏(にか)=ルドルフ・ヴェロニカ=さん(25)は8日、現地の家族が日本を目指し、隣国のポーランドに入ったと明らかにした。近く日本行きの航空便に搭乗できる見込みという。「早く会いたい」。無事を祈りながら再会を心待ちにしている。

 郡山さんの母(48)と妹(13)、伯母(58)はロシアの侵攻後、ウクライナ東部ドニプロ市の市街地から郊外に避難していた。日本政府が避難者の受け入れを表明した2日、郡山さんはすぐ母に連絡。夫の優貴さん(32)が外務省やウクライナ大使館に問い合わせ、ポーランド経由で日本に来られることが分かった。

 家族は現地時間の5日朝、避難先を車で出発。約1200キロ離れたポーランドの首都ワルシャワにある日本大使館を目指した。当初は列車でウクライナを脱出する計画だったが、駅の外まで人があふれかえる様子を見て断念。各地で空襲警報が鳴り響く中、砲撃を受けていない地域を車で進み続けた。

 「今まさに国境を越えようとしているところ」。郡山さんは8日、妹らの位置情報を示すスマートフォンの画面をのぞき込み、声を弾ませた。やがてワルシャワに着いたことも判明し、胸をなで下ろした。

 家族が日本の地を踏んだ後は、迎え入れて鹿児島市で一緒に暮らす予定だ。「攻撃に遭わず無事だったのは本当にうれしい。でも戦争が終わるわけではない。1日も早く平和な日が戻ってほしい」と母国の行方を案じた。

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