鹿児島市役所
ロシアの侵攻を受けるウクライナ人らの日本避難で、鹿児島県内の自治体も受け入れ準備に動き出している。南日本新聞の取材に7日までに13市町が前向きな意向を示し、このうち鹿児島市は受け入れ済みで、日置市と湧水町は公営住宅を用意した。行政とは別に住居提供や就労の支援を検討している民間法人もある。
鹿児島市によると、少なくともウクライナ人ら3人が避難中。市国際交流課の湯之上寛樹課長は「個別の内容は非公表」とした上で、生活物資、就労、学校、健康、住居など必要な手だてを講じると説明する。日置市は「ウクライナ避難民支援本部」を設け、市営住宅11戸を用意。通訳者への謝金や翻訳機の購入費用を予算化した。
湧水町は町営住宅6戸を使えるように態勢を整える。議会の質問などを受けた取り組みという。町総務課の高城章課長補佐は「避難者がいれば要望を聞き取り、準備できる範囲で応じたい」と備える。
いちき串木野市や南さつま市、薩摩川内市など10市町は、避難希望者がいれば対応する方針。このうち阿久根市と奄美市は全国青年市長会を通じて受け入れ意思を示した。
一方、複数の自治体の担当者からはコミュニケーションの方法や、必要な支援を把握する難しさを指摘する声も上がった。
県は3月25日、国際交流課にウクライナ避難者支援窓口を設置した。全43市町村に避難者支援への協力を求める文書を出し、生活保護や公営住宅の手続きなどで県の出先機関と連携する考えを伝えた。
民間では医療法人誠心会(日置市)が職員寮の提供や事業所での就労支援を検討している。担当者は「支援の内容は避難者に合わせる。ウクライナ語の日常会話を勉強し、コミュニケーションをとれるようにしたい」と話した。