「ゼロ戦がここから…」「爆弾が…」 VR動画で戦争体験リアル 市が作成、平和教育に活用

2022/04/09 15:30
QRコードを読み取る小学生。手前は出土した滑走路跡コンクリート片=鹿屋市笠之原町のJA直売所どっ菜市場
QRコードを読み取る小学生。手前は出土した滑走路跡コンクリート片=鹿屋市笠之原町のJA直売所どっ菜市場
 鹿屋市が平和学習のきっかけにしてもらおうと、3種類のVR(バーチャルリアリティー)動画を作成した。金浜海岸など市内6カ所の戦跡に設置された看板のQRコードをスマートフォンやタブレット端末で読み込むと、当時の様子を追体験できる映像を見ることができる。

 映像は(1)笠野原基地編(2)串良基地編(3)金浜海岸上陸編-があり、それぞれ約2分間。史実や体験談を基に制作した。QRコード設置場所と関連する映像だけを見ることができ、全種類を視聴する場合は最低3カ所訪れる必要がある。

 このうち笠野原基地編のVR体験会が3月30日、敷地内に滑走路跡が残るJA直売所「どっ菜市場」であった。市内の小学生7人が参加し、掩体壕(えんたいごう)から出庫したゼロ戦が飛び立つ映像に「今の風景からは想像がつかない」など声が上がった。笠野原小3年の竹田奈央さんは「気持ちが苦しくなった。爆弾が落とされる光景に戦争の怖さを体感した」と話した。

 QRコードは他に「笠野原基地編」が川東掩体壕、「串良基地編」は平和公園と地下壕第一電信室、「金浜海岸上陸編」が高須トーチカと進駐軍上陸地の碑に設置されている。鹿屋市ホームページでVRの一部を紹介した動画を公開している。

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