行き先別に設けた共同停留所から離れ、従来の位置に立つ鹿児島交通バス停=鹿児島市浜町
「4月1日から、鹿児島駅前バス停が駅前広場内に移ったが、鹿児島交通だけが、少し離れた以前の停留所のまま。バス停が分散して不便」。鹿児島市の男性からこんな声が南日本新聞に寄せられた。鹿児島交通に理由を聞いた。
同駅周辺は、市が2009年度から総事業費46億円をかけて整備した。駅前広場(約1万平方メートル)は歩行用屋根を備え、ロータリー内に路線バスの乗り場4カ所と降り場2カ所などを設置。乗客の利便性を高めるため、バス停を(1)県庁・谷山方面(2)鹿児島中央駅終点(3)同駅経由各方面(4)国道3号経由各方面-に集約した。
だが、広場内のバス停に乗り入れたのは市営バスと南国交通、JR九州バス。鹿児島交通は、これまでのロータリーから少し離れた場所にあるバス停のままとなっている。
買い物帰りに、広場内バス停のベンチに座って同社のバスを待っていた千年1丁目の女性(70)は「バス停が変わると聞いて見に来たが、鹿児島交通は以前のまま。鹿児島交通のバス停はひさしがなく、暑いときや雨の日は重い荷物を持っていると大変」と話した。
同社によると、市内の路線は主に南部方面。JR利用者は同駅からバスに乗り継ぐより、鹿児島中央駅で乗り継ぐ場合が多く、バス停の利用者は近隣住民が中心という。合理化を進める中、駅前広場内に乗り入れると利用料も発生するため「当面は現行のまま様子を見る。利用者の声も聞きながら、必要があれば検討する」としている。