写真でしか見たことがなかった特攻隊員の親族へ…「命の尊さ、伝えていきます」 知覧で4年ぶり制限なしの慰霊祭

2023/05/04 08:00
特攻戦没者を悼み焼香する参列者=3日、南九州市の知覧特攻平和観音堂
特攻戦没者を悼み焼香する参列者=3日、南九州市の知覧特攻平和観音堂
 知覧特攻基地戦没者慰霊祭が3日、鹿児島県南九州市の知覧特攻平和観音堂前で営まれた。4年ぶりに参列者に制限を設けず、遺族や関係者ら約500人が参列。旧陸軍知覧飛行場から出撃した439人を含む太平洋戦争末期の沖縄戦で戦死した1036人の冥福を祈った。

 知覧特攻慰霊顕彰会が主催し69回目。東北や関東、九州など全国から遺族約150人が集まり、高齢者がほとんどの中で子ども連れも目についた。

 1945年5月27日に知覧から出撃した橋之口勇さん=当時(18)=が祖母の弟に当たる鹿児島市錦江台の小川さゆりさん(46)が、伯父の遺族代表あいさつを代読した。戦後、勇さんの実家を訪れた戦友が家族に伝えた出撃直前の様子を話す際には、涙ぐみ声を詰まらせた。

 19歳を頭に4人の子を持つ小川さんは「写真でしか見たことのない人だが、身近に感じられてぐっときた。戦争の時代にあったことや命の尊さを子どもたちにしっかり伝えていかなければならないと思う」と話した。

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