公用車として導入した電気自動車に試乗した園児や関係者=南種子町中之下
昨年9月に「ゼロカーボンシティ」を宣言した鹿児島県南種子町は、4月から公用車に電気自動車(EV)を8台導入している。燃料コストや二酸化炭素(CO2)の削減を図るとともに、災害時には全8校区に1台ずつ割り当て、電源として活用する。国が進める脱炭素社会に向けた取り組みに合わせ、地域課題でもある防災力の強化を目指す。
石油元売り大手の出光興産(東京)との共同事業。役場敷地内にはEVの急速充電設備が新設された。EV8台は5年間約2800万円のリースで、契約終了後は買い取りもできる。役場の屋上に太陽光パネルを設置し、庁舎内に電力を安定供給する仕組みを実証していく。
町によると、EV導入で公用車の年間の燃料コストが約4%削減できる見込み。太陽光発電による電力供給も合わせ、全体のCO2削減効果は30%と試算している。
4月に同町役場で記念式典があり、同社地域創生事業室の中村暢之次長(54)は「社にとっても先進的な取り組みで、他の自治体のモデルにしたい」とあいさつ。小園裕康町長は「脱炭素の取り組みが町民にも浸透し、環境意識が高まってくれれば」と期待した。
EVの急速充電設備は既に西之表市と中種子町にある。南種子町にもできたことで、種子島全域で充電できるようになった。