竹由来の「バンブーインキ」(ユニカラー提供)
日置市の印刷業・協業組合ユニカラー(岩重昌勝代表)が、インキ大手のサカタインクスと協力し、国内で初めて竹由来の原料を使った「バンブーインキ」を開発した。竹林面積が全国で最も広い鹿児島県の資源を有効活用することで、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献が期待される。
インキは黒色のみで、サカタインクスが販売する植物由来インキ顔料のうち、2割を竹由来にしたという。竹をチップ化する際に出るくずを、竹炭を生産する日の丸竹工(日置市)が炭化加工して原料にする。
インキは3月に発売された。炭化などの工程にコストがかかるため従来品に比べて価格は高いが、持続可能な開発目標(SDGs)への関心が高い企業が導入しているという。
林野庁の調査によると、県内の竹林面積は約1万7927ヘクタール(2017年3月末)で全国トップ。繁殖力が高い竹は放置されると竹林が荒れやすく、根が浅いため土砂災害の原因にもなる。
県内では、09年に中越パルプ工業川内工場が国内で初めて竹を100%原料にした紙の製造販売を始めたほか、各地で農業用の土壌改良材や家畜飼料、工芸品など利活用を図っている。
ユニカラーは竹紙ノートなどの文具、紙コップやストローを開発。利用拡大に取り組んでいる。営業部の生野忠男部長(56)は「活用の幅を広げ、竹の需要を増やしたい」と話した。