ウクライナへ送るため、寄贈された救急車=28日、瀬戸内町古仁屋
ロシアの侵攻が続くウクライナを支援するため、鹿児島県の大島地区消防組合瀬戸内分署が中古の救急車1台を無償提供した。28日、同分署で譲与式があり、輸送を担うNPO法人に引き渡した。8月末ごろ首都キーウに届く予定。
ウクライナ支援に取り組むNPO法人の「SunPanSa(サンパンサ)」(三重県)と在日ウクライナ人らでつくる「KRAIANY(クラヤヌィ)」(東京都)を通じ輸送する。両法人によると、ウクライナではロシアの攻撃で初期医療にあたる施設や機材が不足しており、寄贈の呼びかけに同組合が応じた。
提供車両は2008年に瀬戸内町が約3200万円で購入し、導入された高規格救急車。今年5月まで15年使われた。走行距離は約8万3000キロ。無事故でストレッチャーや心電図などの機材もそのまま贈った。
キーウ出身でクラヤヌィ理事の片岡ソフィヤさん(34)は「現地では無差別攻撃が続き、病院に早く運べば助かる人も亡くなっている。救急車が第二のステージで多くの人を救ってほしい」と願った。