南太平洋の島国ミクロネシア 水産加工品の残りかす→養豚飼料に活用 カツオ漁が縁、枕崎水産加工業組合がプロジェクト

2024/01/04 17:30
枕崎水産加工業協同組合の再資源化施設を視察するフィニーさん(右から2人目)とレイアニさん(同4人目)=枕崎市仁田浦町
枕崎水産加工業協同組合の再資源化施設を視察するフィニーさん(右から2人目)とレイアニさん(同4人目)=枕崎市仁田浦町
 枕崎水産加工業協同組合(鹿児島県枕崎市)は南太平洋の島国ミクロネシアで、水産物を加工する際に出る残滓(ざんさ、残りかす)を処理して養豚飼料に活用するプロジェクトを進めている。カツオ漁でつながりの深い、同国の養豚農家の生計向上や環境保全に役立てる狙い。12月中旬に現地の技術者2人が枕崎市を訪れ、最新の技術を学んだ。

 ミクロネシアでは養豚の餌を残飯や芋から配合飼料に切り替えつつあるが、価格高騰が悩みのタネ。そこで同組合が提案したプロジェクトが、国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業として支援を受けることになり、2022年1月に始動した。

 現在は同組合の技術指導で現地生産した魚粉で飼料を試作し、養豚農家にヒアリングを重ねている。

 来日したのはシチロウ・フィニーさん(48)とリゴール・レイアニさん(31)。16~20日、残滓から魚粉や魚油を作る再資源化施設を視察したり、食中毒の原因となるヒスタミンの検査技術を学んだりした。

 フィニーさんは「ミクロネシアは養豚が盛んで、いい餌が求められる。食い付きのいいペレット状に加工するなど、今後も日本の協力が必要だ」と期待する。

 プロジェクトマネジャーの小湊芳洋さん(70)によると、現地では余った魚などを海に捨てることが多く、水質汚濁の原因になっていた。「かつお節の原料確保に欠かせない大事な国。残滓処理が根付けば、農家は潤い環境保全にも役立つ。いい関係が続いてほしい」と話した。 

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