サトウキビの搾りかすと木質チップでバイオ燃料製造 住友商事が種子島で実証実験

2024/01/12 20:30
【図解】バイオディーゼル燃料製造の流れ
【図解】バイオディーゼル燃料製造の流れ
 住友商事は米国の再生可能エネルギー開発・投資会社のソラリアントキャピタルと共同で、種子島でサトウキビの搾りかす(バガス)や木質チップを活用したバイオ燃料製造の実証実験に取り組む。サトウキビは中種子町に製糖工場を持つ新光糖業(大阪)から、木材は種子島森林組合から調達する。

 製造を目指すのは、バガスとスギのチップを熱分解してできる炭化物を30%の割合で重油と混ぜたバイオディーゼル燃料。ディーゼルエンジンで動く自動車や船舶などで使えるという。製糖工場で処理しきれないバガスや資源活用できていない木材を原料に、実証期間中に合わせて数千トンを使う見込み。

 中種子町に実験用炭化炉を建設し、2024年後半から25年にかけて製造に取り組む。同年中には非常用発電機用などに提供する。実証後は商業プラントを建設し、27年から量産を始めるという。投資額は非公表。

 サトウキビ、スギの両方が調達可能だったため、種子島を選んだ。炭化炉の建設用地は種子島森林組合から約1ヘクタールの旧製材所跡を取得済み。

 住友商事によると、サトウキビなどのバイオマスをディーゼル燃料として使うことで、温室効果ガスの排出量削減やエネルギーの地産地消の実現が期待される。将来的にはバイオマス比率100%の燃料製造も目指すとしている。

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