読者からの投稿に応える報道で連携する南日本、西日本、熊本日日、宮崎日日新聞の九州4紙は、防災をテーマに合同アンケートを実施した。「いま心配な自然災害」については大半が地震を挙げ、近年被害が相次ぐ台風や豪雨も目立った。5割前後が懐中電灯や3日分以上の飲料水・非常食の準備を既に行っており、避難生活ではトイレ不足を不安視する声が多かった。
調査は本紙「こちら373」をはじめとする4紙の通信アプリLINE(ライン)登録者などを対象に3月8~15日に行い、1059人(鹿児島県内200人)が答えた。
複数回答で最も心配な災害を尋ねたところ、地震が89.1%と群を抜き、台風(50.1%)、豪雨(42.3%)と続いた。鹿児島は地震85%、台風47%、火山災害(噴火や火砕流)45%の順。鹿児島市の男性(72)は「大噴火と台風が重なれば避難は困難」と複合災害を心配した。
既に備えている事(複数回答)で最も多かったのは「懐中電灯やラジオ」で58.5%(鹿児島52.5%)。「天気予報やニュースを小まめに確認する」57.3%(同61.5%)、「避難場所・経路を把握する」51.5%(同53%)だった。飲料水や非常食のほか、ティッシュなどの生活用品の備蓄はいずれも4割を超え、「特に何もしていない」は1割だった。
過去の津波や洪水、土砂災害などを伝える自然災害伝承碑については「存在を知っている」は36.3%(鹿児島37%)、「知らない」は63.7%(同63%)。伝承碑や先人の言い伝えなどを活用した防災教育はあるか、という問いには「はい」8.4%(鹿児島9.5%)、「いいえ」41.7%(同44.5%)、「分からない」49.9%(同46%)だった。
自然災害による避難経験は熊本県在住の6割が「ある」と答え、九州の他県では1割ほど。能登半島地震ではトイレ不足が問題化したためか、避難経験のない人からは衛生面を不安視する声が相次いだ。
※アンケートは多様な声の聞き取りが目的で、世論調査とは異なります。