初めて女子児童3人が参加した棒踊り=21日、伊佐市菱刈田中の田中小学校体育館
伊佐市菱刈田中の伝統行事「そば祭り」が21日あり、豊受姫神社に奉納される棒踊りに初めて女性が加わった。少子高齢化に伴う踊り手減少を受け、参加を呼びかけたところ田中小学校5、6年の3人が応じた。息の合った舞に観衆から大きな拍手が起こった。
田中芸能保存会の山元信一会長(62)によると、棒踊りは100年以上の歴史がある。紺のかすりの着物に白いはちまき、帯、ぞうりを身に着け、6人一組で六尺棒や三尺棒を持って勇壮に舞う。
参加した女子児童は6年の轟木梨乃さんと松山夢杏(ゆあ)さん、5年の小山遥愛(はんな)さん。この日は雨のため、同校体育館で奉納し、女子児童を含む18人は「アーラ、ソイソイソイ」と力強く棒を振り、会場を沸かせた。轟木さんは「以前から踊りたいと思っていた。ちょっと緊張したけど楽しかった」。山元会長は「盛り上がったし、ジェンダーレスの時代に合っている」と話した。
そば祭り後は、各家庭が訪問客にそばを振る舞う習わしがある。高齢化による世帯数減少などを受け、田中総集落運営委員会が今回初めて、近くの産野公民館でそば150食を提供し住民らに喜ばれていた。