全国戦没者追悼式に参列した鹿児島県の遺族ら=15日、東京・日本武道館
15日開かれた政府主催の全国戦没者追悼式には、鹿児島から17~90歳の遺族37人が参列した。先の大戦で犠牲になった約310万人に哀悼の意を表し、不戦の誓いを新たにした。
最年長の石神正明さん(90)=日置市=は、各都道府県の代表とともに標柱の近くで黙とうをささげ、黄菊を献花した。12歳の時、太平洋戦争末期の沖縄戦で旧海軍の父を亡くした。
これまで県内の追悼式に参加していたが、「最初で最後」との思いで参列を決めた。「厳しくも優しい、子煩悩な父に会えた気がした。殺し合いの戦争を二度と起こしてはならない」
最年少の野村碧さん(17)=国分中央高校2年=は、祖母文子さん(79)の誘いで初めて参列した。中国に出征した曽祖父は終戦後もすぐに戻ることができず、餓死したと聞かされた。
中学生の頃に平和学習に取り組み、もともと戦争には関心があった。「話を聞いたり映像を見たりするだけでも恐ろしさが分かる。命は尊い。まずは知ることから始めたい」と話した。
被爆2世の春田真未子さん(63)=薩摩川内市=は「『平和が一番』という言葉に尽きる」。伯父を亡くした杉田佐代子さん(72)=さつま町=は「世界では争いが絶えない。心から平和を願う」と語った。