米軍に撃沈された富山丸、犠牲者には朝ドラ「虎に翼」主人公のモデル家族も 三淵嘉子さんの弟・一郎さん

2024/08/17 15:30
神戸市の戦没した船と海員の資料館には、戦没した富山丸のパネルも掲示されている
神戸市の戦没した船と海員の資料館には、戦没した富山丸のパネルも掲示されている
 鹿児島県徳之島町亀徳沖で米軍の魚雷攻撃を受け沈没した輸送船「富山丸」では約3700人が命を落とした。「虎に翼」のモデル三淵嘉子さんの弟・武藤一郎さん(享年29歳)も犠牲者の1人だ。

 「虎に翼」は先の大戦前後を舞台に、日本で初めて法曹界に飛び込んだ女性の人生を描く。劇中では終戦間近、主人公寅子(ともこ)の兄の戦死公報が届く。「南西諸島方面にて戦死」と記されていた。

 武藤さんの遺族によると、三淵さんは4人の弟がいた。長男一郎さんが沖縄への増援部隊として富山丸に1944(昭和19)年6月に乗船、戦死した。

 関東地区富山丸遺族会の川南廣展さん(88)=垂水市出身=によると、一郎さんの妻・嘉根さん(享年99歳)は沈没海域での海上慰霊祭に参加していた。教員だった嘉根さんを慕う教え子が、慰霊祭に来たこともあるという。川南さんは「遺族会も高齢化が進む。一人でも多くの人が富山丸の存在を忘れず、平和の尊さに思いを寄せてくれれば」と話した。

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