台風13号、奄美市などで住家損壊や浸水被害 辺野古沖埋め立てに携わる土砂運搬船も座礁

2024/09/16 09:00
強風ではがれた住家の壁=15日、奄美市名瀬塩浜町
強風ではがれた住家の壁=15日、奄美市名瀬塩浜町
 台風13号は15日、発達しながら東シナ海を西寄りに進んだ。鹿児島地方気象台によると14日午後9時から同10時ごろ奄美大島に最接近し、15日午前1時ごろ暴風域を抜けた。

 奄美大島では住家損壊などの被害が相次いだ。人的被害はなかった。マリアナ諸島付近には熱帯低気圧が発生しており、住民たちは気が抜けない様子だった。

 奄美市は同日午後3時現在、住家の一部損壊30件と床上浸水2件を把握。宇検村では住家半壊が1件、建物の一部損壊が14件あった。島内では倒木などによる道路の通行止めが相次いだ。

 奄美市名瀬の調理師男性(83)は、自宅の壁が強風で飛ばされた。室内に雨水が吹き込み、エアコンが壊れた。「夜通し眠れなかった。次の台風に備えたい」と話した。同市名瀬の男性(65)は、朝から勤務先のホテルで雨漏りによる水たまりを拭き取る作業に追われた。「前回の台風被害の修理も終わっていないのに大変だ」とため息をついた。

 九州電力によると同日、奄美大島と喜界島で最大約1万130戸の停電が発生。午後8時現在も約千戸で続いている。

 台風接近に伴い大島海峡に避難中だった那覇市の土砂運搬船「第七太海丸」(915トン)は14日夜、瀬戸内町須手の瀬戸埼付近で浅瀬に乗り上げ座礁した。

 古仁屋海上保安署によると、現場は瀬戸埼から約100メートル沖。14日午後9時55分ごろ、第七太海丸から「風に流され、いかりを下ろしたまま浅瀬に乗り上げた。船首区画に浸水している」と118番があった。船体は安定し油の流出は確認されていない。けが人や体調不良者はいないものの、乗組員6人が船内にとどまっている。

 16日の満潮時に、船の所有会社が手配する業者が離礁作業と船底調査を行う。

 所有会社などによると、第七太海丸は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に絡み、名護市辺野古沖の埋め立て工事に携わっていた。座礁時は土砂は積んでいなかった。

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