馬毛島の自衛隊基地整備の工期延長について協議する西之表市議会馬毛島対策特別委員会=25日、同市役所
西之表市馬毛島の基地整備の対応を巡り、基地反対派の市議が27日の市議会最終本会議で、八板俊輔市長に対する辞職勧告決議案を提出することが分かった。「市民への説明不足」「議会軽視の行動」を指摘する内容。南日本新聞の取材に、基地賛成派の一部が賛同する意向を示しており、可決される可能性がある。
25日の議会運営委員会で報告された。八板市長に対する決議案は、辞職勧告が2回目、問責を含めると4回目。過去3回はいずれも1票差で否決されている。
今回の辞職勧告決議案では、工事による住宅や駐車場の不足、人材流出といった住民生活への影響について「対応が後手で不十分」と指摘。議会答弁などで基地整備の賛否の明言を避け続ける姿勢も問題視し「市政を混乱させた政治的責任は免れない」と断じている。
西之表市議会(定数14)は、基地整備の賛否を巡って7人ずつに割れており、採決に加わらない議長に反対派が就いている。実質的に基地賛成派7人、反対派6人の状況で、決議案は過半数の賛成で可決となるため、賛成派から1人以上の賛同を得る必要がある。可決しても法的拘束力はない。