大型スクリーンに映し出される自民党総裁選を伝えるニュース=27日午後3時40分、鹿児島市金生町のよかど鹿児島
自民党の石破茂新総裁が誕生した27日、鹿児島県内では、決選投票での逆転劇に驚く声や、地方を守る施策への期待が聞かれた。党の派閥裏金問題や旧統一教会との関係については、あらためて国民に説明するよう注文もついた。
龍郷町戸口の女性(91)は「話す内容に真実味がある。信頼できる政治家」と石破氏を評価。不安定な国際情勢に触れ、「武器では国を守れない。外交能力を高め、非戦国として世界平和をリードしてほしい」と望む。裏金や旧統一教会の問題には「国民にきちんと説明して、本当の意味で生まれ変わってほしい」と求めた。
霧島市国分の会社役員(56)は「党内で抜本的な変革よりも安定性を選択した印象。大きな災害が続く。『防災省』の設立議論は前に進めてほしい」。自民党員で同市福山の畜産業者(49)は石破氏を「歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで人気を集めてきた。政権を握った時に力を発揮できるか注視しないといけない」と話した。
決選投票で敗れた高市早苗経済安全保障担当相に期待した人もいた。鹿児島市郡元1丁目の男子大学生(19)は「高市さん関連の動画を見て、勝つだろうと思っていたので意外。石破さんにはいいイメージがない。政治に期待ができない」。福祉事業所代表を務める鹿屋市寿8丁目の女性(44)も「経済政策や安全保障の面でリーダーシップを発揮できるのは高市さんだと思った。裏金の透明化は必須。ただ、国会の議論が裏金に終始し、必要な国策が遅れるのは本末転倒だ」とくぎを刺した。
小泉進次郎元環境相は決選投票に進めなかった。祖父の故純也氏の出身地、南さつま市加世田の万世地区で公民館長を長く務めた男性(92)は「薩摩隼人の血が流れる首相が再び誕生するのではと期待した。若いからまた次がある」と残念がった。石破新総裁には「ここも子どもが減り、空き家が増えるなど疲弊している。地方がよくならなければ日本の未来はない。地方を守る施策を」と要望した。