313億円でも入札不調の新体育館…規模も、場所も見直さず 鹿児島県「民有地に造ればさらに事業費増える」

2024/10/02 11:32
鹿児島県が新総合体育館の整備を計画しているドルフィンポート跡地(中央)=鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
鹿児島県が新総合体育館の整備を計画しているドルフィンポート跡地(中央)=鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島県は1日、入札不調となった新総合体育館事業について、鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地への整備を見直す考えはないと改めて説明した。県議会文教観光委員会で西正智観光・文化スポーツ部長が「整備地を民有地に変更すると、土地取得費が発生し、事業費がさらに増える」と述べた。

 西部長は、基本構想検討委員会では場所ありきでなく、施設のコンセプトを取りまとめた上で選定したと語った。規模見直しを問われると、県は「全国大会を開催するための必要最小限の規模。縮小は難しい」と答弁。まずは今月中に事業者が応札しなかった理由や整備・運営手法への意見をヒアリングし、対応を検討するとした。

 委員からは場所や規模、機能の変更を求める声が相次いだ。県の厳しい財政状況を挙げ「入札が不調なら、計画を白紙にすべきだ」「これ以上の増額は厳しい」といった指摘もあった。

 県は4月に入札を公告した。二つの事業者グループが入札を検討していたが、9月27日の入札日に辞退届を提出した。人件費や建築資材などの高騰で、県が提示した313億円の事業費で整備・運営するのは困難と判断したとみられる。

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