白塗りの面でコミカルな掛け合いを演じる一番組=15日、与論町立長の地主神社
国の重要無形民俗文化財「与論十五夜踊り」が15日、与論町立長の地主(とこぬし)神社であった。島内の安穏と五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、大雨被害からの復興を誓った。踊り手は一番組、二番組に分かれて交互に演じ、大和と琉球の芸能が融合した独特の舞を奉納した。
一番組は白装束に独特の面をつける大和風。与論の古い方言で寸劇仕立ての演目を軽妙に披露した。二番組は紺の着物に「シュパ」と呼ばれる頭巾を巻く琉球風。手踊りや扇踊りで厳かに舞った。
与論十五夜踊り保存会の市村博司会長(63)は「住民みんなを代表して奉納している。踊りは与論の財産。存続の危機もあったが今後も続けたい」と語った。
踊りは室町時代の1561年に創作されたと伝わる。住民の娯楽だけでなく、平穏無事や豊作を祈願し、感謝する。冒頭の一番、二番組合同の雨乞い踊り「雨たぼり」を欠かさない決まり。旧暦3、8、10月の15日の年3回行われる。