下狩宿の住民に担がれ、稲刈り後の田んぼを見回る田の神=19日午後、さつま町求名
米どころで知られる鹿児島県さつま町求名の下狩宿集落で19日、田の神講があった。住民代表が各所で重さ約70キロの田の神像を棒につるして担いで歩き、収穫後の田んぼを見せて実りに感謝。来季の豊作を祈った。
田の神像は農民の姿でかさをかぶり、右手にしゃもじ、左手に棒を持つ。以前は各戸が持ち回りで預かったが、少子高齢化で負担が大きく、2005年から公民館で保管。田んぼ巡りも軽トラックの荷台に載せて所々で担いでいる。
巡回後、住民らは公民館で新米の餅を詰めた藁苞(わらづと)を田の神像にかけて安置し、飲食を楽しんだ。下狩宿公民会の新屋敷敏雄会長(71)は「今季は夏場の高温や収穫期の雨で例年より収量が少なかった。伝統行事を守りつつ、来季はいい年にしたい」と話した。