鹿児島県の塩田康一知事は22日の定例会見で、年収が103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」を178万円に引き上げた場合、税収が県と市町村合わせて年間約415億円減るとの試算を明らかにした。県が約165億円、43市町村が約250億円。
国民民主党が自民と公明両党に求める非課税枠を178万円に引き上げた場合の個人住民税を試算した。地方交付税の減額分は含めていない。
塩田知事は「物価が高騰する中で手取りを上げるのは重要。一つの方策だ」と引き上げに理解を示しながらも「税収への影響に十分配慮しながら検討を進めていただきたい」と述べた。
10月の衆院選では自公が少数与党となった。「与野党でしっかりと丁寧に政策論議することが必要になる。国政の停滞がないようにしてほしい」と注文。県関係の国会議員が2人減った結果に「県としては残念」とし、「影響がないようしっかり取り組みたい」と述べた。
米大統領選でトランプ氏が返り咲きを決めたことによる県内の影響を問われ、「日本の産品全体に関税をかけることになると、県から輸出する牛肉やブリに影響が多少あるかもしれない」と警戒した。