鹿児島県警の一連の不祥事を巡り、県警を管理する県公安委員会のあり方が問われている状況を踏まえ、塩田康一知事は22日の定例会見で、今後は任期満了を迎える委員の後任候補を、県が主体となって選出すると明らかにした。理由について、県警の情報のみに基づいた従来の選出方法では「県民の疑念を招きかねないため」と説明した。県人事課が具体的な手順を検討している。
委員は非常勤の3人からなり、任期は3年。2回に限り再任される。現在は、県が県警から、候補者の参考情報を聞き取って選考するのが慣例となっている。議会の承認を経て、知事が任命する。今後は県が幅広い分野から候補者を選ぶ。最も近くて、2025年7月に医師の増田吉彦委員が任期満了となり、県は再任の是非も含め検討する。
知事は会見で、県警組織の再生に向け「公安委員会の果たす役割が重視されている」と述べた。その上で「再発防止対策が実効性を持てるようフォローし、不十分な点があれば見直す必要がある」と指摘した。一方で「県警に対し厳しく意見する役割が必要ではないか」との問いには「公安委員会は監察組織ではない。組織の隅々まで監視するというより、大枠で全体的な管理を担う」との見解を示した。