市バス12路線の安定運行黄信号…委託先の民間事業者「27年度以降の再契約は困難」 民間もひっ迫、運転手不足深刻化避けられず

2024/12/12 18:00
(資料写真)南国交通の路線バス=鹿児島市小野町
(資料写真)南国交通の路線バス=鹿児島市小野町
 鹿児島市議会は11日、本会議を開き、5議員が個人質問した。市交通局は、民間に委託している12路線について、事業者が「2027年度以降の再契約は困難」との意向を示したと明らかにした。契約が更新できない場合、運転手不足が深刻化する恐れがある。枝元昌一郎局長は「路線バスを安定的に運行するため、今後も協議する」と答弁した。

 同局は12年度、経営改善を理由に南国交通へ路線委託を開始した。5年ごとの契約で現在3期目。今期は26年度までとなる。全25路線のうち現在、12路線(同局との共同運行2路線を含む)、運転手41人分に当たる32勤務を委託している。

 しかし24年4月、同局はダイヤ維持のため委託していた3路線を戻した。同社で予定外の退職者が続き、運転手確保が見込めないため。今回再契約が不成立になれば、現行の業務量で試算した場合、同局では27年度、60人程度(26年度末の同局の退職者を含む)の運転手が不足する見込み。

 同社からは、来年度も追加で受託分の業務量を同局に返還したいとの要望が出ているという。

 本会議ではほか、イオン鹿児島鴨池店(当時)の立て替え計画についても質疑があった。市は21年10月、イオングループから、同店と、隣接する鴨池ビル(鴨池2丁目)を含む土地活用の相談があったと説明。ただビル入居者の合意が不透明だとして、関係者による24年3月の意見交換会で、同社から自社敷地のみで計画を検討するとの方針が示された。

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