自動運転バスに乗り込む小学生ら=14日午前、南さつま市役所
鹿児島県南さつま市は14日、県内初となる自動運転バスの実証実験を始めた。操作の一部をシステムが担う「レベル2」相当で実施し、市役所を起点に市街地を1日5往復する。運転手不足などで公共交通維持が困難となる中、持続可能な交通体系確保や地域活性化を図る。将来的には無人運転可能な「レベル4」を目指す。
バスは全長約4.8メートル、高さ約2.7メートルの電気自動車で、3次元地図をもとに時速20キロ未満で走る。車両はマクニカ(横浜市)、運行はNTT西日本鹿児島支店(鹿児島市)が担う。
乗客は最大9人。駐車車両がある道路など安全走行が難しい場面では人が操作する。市役所に遠隔監視拠点を設け、車内外をカメラで見守る。事業費は約5000万円で国の補助を活用。ラッピングデザインは地元の鳳凰高校生が考えた。
市役所であった式典には塩田康一知事ら約100人が参加。本坊輝雄市長は「通院や通学など市民生活をどう支えるかが課題。小さな町の大きな挑戦として夢と希望を託したい」と語った。試乗した加世田小学校5年有村颯晃さんは「未来的な車で乗り心地も最高」と話した。期間は2週間。アプリで予約し無料で乗車できる。