鹿児島県の塩田康一知事は20日、九州電力が川内原発(薩摩川内市)に次世代革新炉を新設する場合の対応について、「知事同意が必要ではないか」との考えを述べた。3号機増設に対する2010年の伊藤祐一郎知事(当時)の同意は計画凍結中の現在も有効とする一方、国が推進する次世代炉の設置には新たな同意手続きの必要性を示した形だ。
南日本新聞の取材に答えた。「違う(次世代炉の)計画が出てきた時の手続きは精査しないと分からないこともある」と話した。3号機増設は改めて凍結とした。
国が17日示した次期エネルギー基本計画の原案では、廃炉を決めた原発を持つ電力会社に対し、別の自社原発で次世代炉への建て替えを認める方針を明記。九電は玄海原発1、2号機(佐賀県)の廃炉作業中で、川内原発での新設を可能にする内容との見方が出ている。
伊藤氏は3号機増設に同意した後、福島第1原発事故を経て計画の手続き凍結を表明した。塩田知事はこれを踏襲。原案に絡んでは、鹿児島は既に国のエネルギー政策に一定の役割を果たしてきたとして「地域の理解が得られる状況とは思えない」と川内原発への建て替えに難色を示している。
九電の池辺和弘社長は18日、薩摩川内市で報道陣に3号機増設の社内議論は進んでいないとしつつ、「原子力はこれから絶対に必要だ」と説明した。