事故現場で設備の復旧に当たる作業員ら=20日午後4時半ごろ、薩摩川内市の川内駅付近
鹿児島県薩摩川内市の川内駅構内で12日に発生した貨物列車脱線事故で、JR九州は20日、損傷したレールなどの取り換え作業に入った。古宮洋二社長は福岡市であった定例会見で、「100トン前後の機関車が脱線したため、主要設備の損傷が激しい」と述べ、運転再開の時期は見通せないとした。
古宮社長は事故後の経過を説明。「レールや枕木、分岐器などの設備が大きく損傷し復旧に時間がかかっている。迷惑をかけて大変申し訳ない」と陳謝した。原因については「運輸安全委員会が調査中のため申し上げられない」と述べた。運休が続く鹿児島線川内-隈之城間の代替バスは、状況次第で増便を検討する。
海老原毅鹿児島支社長は同日、報道陣に対し、事故前日の夜に現場の近隣住民から「大きな音がした」と通報が寄せられたと説明した。事故が起きる前に複数の乗務員に確認したが異常は確認されず、問題ないと判断したという。音と事故との因果関係は不明。
貨物列車は12両編成。12日午前3時ごろ、先頭の機関車1両と貨車2両が脱線した。