職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴された前鹿児島県警生活安全部長の被告男(61)について、県警監察課は27日、被告が在任中、警察官昇任試験の面接試験の内容を受験者に漏らしたとして、同法(守秘義務)違反の疑いで鹿児島地検に書類送検したと明らかにした。26日付。
当時、昇任試験に関わる立場にあった現職警察官2人も、被告へ試験内容を漏らしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで26日書類送検した。うち1人は同日付で本部長注意処分とした。3人の認否は明らかにしていない。
同課によると、被告が起訴された事件の捜査で発覚した。試験に関わった警察官2人が、それぞれ別の機会に別の内容を被告に漏らした。被告は受験者1人に対し、メッセージアプリで一方的に試験内容を伝えたという。漏えいした内容は実際に出題された。
県警は2人の警察官は共謀関係にないとみている。受験者の特定につながるとして、被告と受験者との関係や試験内容が漏れた時期、2人の警察官の所属などは明らかにしていない。
同課は「捜査と調査の結果を踏まえて厳正に対処した。引き続き情報管理の徹底に努める」とした。
被告は県警の内部情報を記した文書を札幌市の記者に送ったとして逮捕、起訴されている。