「110番の日」に知っておきたい…迷子や行方不明から交通事故まで早期解決に一役「110番映像通報システム」 スマホで写真や動画送信、現場状況リアルに確認

2025/01/10 18:00
県内からの全ての110番通報を受ける県警本部の通信指令室=9日午後2時5分、鹿児島市の県警本部
県内からの全ての110番通報を受ける県警本部の通信指令室=9日午後2時5分、鹿児島市の県警本部
 10日は110番の日。鹿児島県警は、事件・事故現場の写真や動画を、スマートフォンなどで警察に送る「110番映像通報システム」の活用を呼びかけている。2023年4月に本格運用され、同年は44件、24年は25件の実績があった。現場の状況をリアルタイムで確認でき、人物捜索や逃走車両の早期特定などに有効だとして、周知を図る。

 システム利用に当たっては、110番通報を受けた県警本部地域課通信指令室の職員が、通報内容に応じて映像提供の必要性を判断する。通報者にショートメッセージ(SMS)で専用サイトのURLを送り、写真や動画の送信を依頼する。

 通報者はシステムにアクセスしてから撮影、送信する。すでに端末に保存している映像も送れる。衛星利用測位システム(GPS)機能で通報者の位置確認もできる。送信するにはインターネット環境が必要で、通信料は通報者負担。

 同課によると、24年実績25件の内訳は、行方不明や迷子の捜索10件、当て逃げ車の捜索5件、交通事故現場などの情報提供5件、山岳捜索など5件だった。同年4月、高齢男性が行方不明になった事案では、家族が110番し、システムを介して男性の写真を県警に送信。通信指令室から捜索中の署員に画像を共有し、自宅近くにいた男性を約50分で発見した。

 システムの認知度はまだ低い。竹原裕二室長は「通話だけでは説明が難しい現場の状況を、写真や動画なら瞬時に伝えられる。無理のない範囲で有効活用してほしい」と訴える。

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