菜の花を眺めながら力走するランナー=12日、指宿市
第42回いぶすき菜の花マラソン(同実行委員会主催)が12日、鹿児島県指宿市であった。フルマラソンとファンランニングに国内外から約9400人がエントリー。時折冷たい雨が降る中、池田湖や開聞岳の景色を楽しみながら菜の花が咲き誇る早春の指宿路を駆け抜けた。
ふれあいプラザなのはな館前を午前9時にスタート。最高気温10度を下回る厳しい寒さに、それぞれかっぱを着るなどして臨んだ。沿道では地元のボランティアらが声援や楽器演奏で盛り上げ、菓子や豚汁、特産品などを振る舞った。
今大会から、男女総合優勝者に市営砂むし温泉の永久無料パスポートを贈呈。ゲストランナーの川内優輝選手や、新たに指宿観光大使に就任した瀬古利彦さんらによるトークショーもあった。
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指宿市で12日あった第42回いぶすき菜の花マラソンでは、沿道の温かい声援やもてなしが選手を後押しした。時折冷たい雨が降る中、ボランティアらによる郷土料理や豚汁、果物などの振る舞いが好評だった。
大会実行委員会が設置する給水所以外に、毎年各地区の住民らが独自にもてなしを用意している。このうち山川岡児ケ水の休憩所では、カツオの腹皮やスナップエンドウなどの特産品に加え地元の徳光温泉の源泉を使った足湯が登場。多くのランナーが冷え切った体と疲れを癒やしていた。
ゴール地点では山川水産加工業協同組合が特産のかつお節を使った茶節約5000食を用意し、応援者も白い息を吐きながら郷土の味を楽しんだ。2年連続で出場した福岡県太宰府市の自営業、香月敬民さん(49)は「まち全体で盛り上げてくれるのがすごい。マンゴージュースと茶ぶしが、疲れた体にしみた」と笑顔だった。