第3中継所、鹿児島・瀬戸口恋(神村中3年、右)が小園(京セラ)にたすきリレー=京都市
第43回全国都道府県対抗女子駅伝は12日、京都市のたけびしスタジアム京都発着の9区間42.195キロで争われた。京都が2時間15分26秒で3年ぶり、歴代最多19度目の頂点に立った。鹿児島は2時間19分51秒の12位でゴールし、2年ぶりの入賞はならなかった。
京都は2区で先頭に立つとアンカー川村(岩谷産業)ら4人が区間賞の快走を見せた。2位争いはトラック勝負にもつれ、2位大阪、3位福岡、4位千葉だった。
【レース経過】鹿児島は1区瀬戸口凜(神村学園高)が先頭から44秒遅れの27位で発進した。2区野口(同)が11人抜き、3区瀬戸口恋(神村学園中)は区間2位の力走で7人を抜き9位に浮上。4区小園(京セラ)も8位との差を1秒まで縮めた。
黒神(神村学園高)、小倉(同)が安定感のある走りで続き、堂園(同)と武田(神村学園中)がともに区間4位の好走で4位に。最長区間10キロの最終9区で藤元(京セラ)が順位を落とし、12位でゴールした。
優勝した京都は2区でトップに立つと先頭を譲ることなく強さを示した。
◇初出走・小園(京セラ)、歓喜の涙
鹿児島は目標の8位入賞に届かなかったものの、一時4位に浮上して存分に見せ場をつくった。中馬信一郎監督(和田中教)は「全員が持ち味を発揮した」とたたえた。
平均年齢は出場チーム中最年少の17歳。とはいえ、全国大会で活躍する神村学園勢を中心に経験豊富な選手ばかり。9区間のうち6区間を昨年と同じ顔ぶれの神村メンバーで編成した。
区間2位となった3区瀬戸口恋をはじめ、6人全員が前回から区間順位を大幅アップさせた。2区で11人抜きを果たした野口は「カーブが多く難しいコース。経験を生かして最短ルートを走れた」と胸を張った。
2位以下の順位が頻繁に入れ替わる混戦レースで経験値がものをいった一方、これまで悔しい思いをしてきた選手の頑張りも光った。昨年末の全国高校駅伝に出場がかなわなかった7区堂園(神村学園高)と前回補欠の8区武田(神村学園中)はともに区間4位と堂々の走りで期待に応えた。
中学時代からメンバーに選ばれながら、3度目の正直で出走がかなった4区の小園(京セラ)はレース後、感極まって涙した。「鹿児島頑張れ、という声援が本当に力になった」と語り、県代表への思いをさらに強くした。
◇アンカー藤元(京セラ)、リベンジ誓う
アンカー藤元(京セラ)は20歳。成人式を欠席して臨んだ。順位を落としてのゴールに悔しさをにじませつつも、「これまで応援してくれた両親に親孝行ができた」と話した。
鹿児島高時代は神村学園の高い壁に阻まれ全国高校駅伝は出場できず、都道府県対抗も補欠どまり。京セラで力をつけてつかんだ都大路の舞台だった。
ただ、足を痛めていた影響で思うように練習を積めなかった。それでも「社会人として責任を果たしたい」と各チームのエースがそろった最終区に挑み、粘り強く走った。
憧れの舞台はほろ苦いデビューとなった。「いい経験をさせてもらった。力をつけて戻ってきたい」とリベンジを誓った。
【区間1位と鹿児島チームの記録】
▽1区=6キロ 田浦英理歌(千葉・積水化学)19分17秒(27)瀬戸口凜(神村学園高)20分1秒
▽2区=4キロ 宇都宮桃奈(北海道・札幌山の手高)12分33秒(9)野口(神村学園高)12分53秒
▽3区=3キロ 藤沢心々(群馬・荒砥中)9分30秒(2)瀬戸口恋(神村学園中)9分32秒
▽4区=4キロ 山本釉未(京都・立命大)12分49秒(15)小園(京セラ)13分18秒
▽5区=4.1075キロ 芦田和佳(京都・立命館宇治高)12分58秒(10)黒神(神村学園高)13分26秒
▽6区=4.0875キロ 川上南海(長野・長野東高)12分51秒(6)小倉(神村学園高)13分18秒
▽7区=4キロ 大西桃花(京都・立命館宇治高)12分42秒(4)堂園(神村学園高)12分59秒
▽8区=3キロ 源代恵麻(愛媛・Niihama T&F)9分46秒(4)武田(神村学園中)9分56秒
▽9区=10キロ 川村楓(京都・岩谷産業)31分48秒(39)藤元(京セラ)34分28秒