長くて大きな竹箸を持ち、もてなしの膳と格闘する七福神=11日夜、霧島市国分福島3丁目
小正月の伝統行事「かせだうち」が11日夜、5年ぶりに鹿児島県霧島市であった。ユニークに仮装した七福神が国分の新築住宅を訪問。家内安全や繁栄を祈願し、住民を喜ばせた。
2023年5月に自宅を購入した藤下文孝さん(34)宅には午後6時半ごろ、大黒さまや犬、ひょっとこの面をかぶった7人の神様がにぎやかに登場。紅白餅に見立てたニンジンと大根、マグロの刺し身に見立てたようかん、メダカが泳ぐ“吸い物”などのもてなしを受け、長くて太すぎる箸で食べようと格闘した。
「懐かしい光景。なじみの知人の心遣いがうれしい」と藤下さん。かせだうちを初めて見た妻の恵梨子さん(34)も「神様に祝われ、いいことがありそう」と笑顔を見せた。
かせだうちは「稼いだ家」の意味で霧島市では、福山かせだうち保存会(藤下信弘会長)が約40年前から続ける。新型コロナウイルスなどの影響で21年以降実施できていなかった。